大学院音楽学研究室ブログ-Osaka College of Music

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修士リサイタル講評会

先日、5夜にわたり開催されました修士リサイタルの講評会が三月二日に開催されました。今年も昨年に引き続き、外部評論家として、音楽学者の能登原由美先生と大久保賢先生が全員にそれぞれ批評をくださいました。

まずは、前置きとして、「これは一聴き手である私の批評であって、当然のことながら反対意見もありうる」と能登原先生。

確かに絶賛と不評に分かれるケースもあるのが演奏の常で、今年もそういったケースがあったかと思います。

「作品をいかに誠実に再現するか、あるいは作品をダシにして自分のパフォーマンスを押し出すか」と大久保先生が言われるように、この二極の間のどこかに立ち位置があり、後者であれば、それはそれでよい、とも大久保先生。とは言いつつも院生に質問し、その答えから今の自分に足りないものを自覚するよう促すという形での批評でした。

お二人に共通したコメントに「小さな山はいくつかあるけれど、どこに一番の山を作るのか」というご指摘がありました。つまりクライマックスに向けて進む意識がないと平板に陥る、ということでしょう。

また歌にともなう発音の問題は毎年、指摘されていることです。

プログラムノートの重要さも然り。

今年は音楽学研究室から2名の出演がありました。修士1年目にしては両名ともすぐれた発表だったと私は感じましたが、もちろん課題についてお二人の先生からご指摘がありました。このご指摘を生かして修士論文に向けてますます励んでもらえればと思います。(井口)

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