大学院音楽学研究室ブログ-Osaka College of Music

大阪音楽大学大学院音楽学研究室に関連するお知らせをお伝えしていきます。研究室mail address:ongakugaku@daion.ac.jp 最新情報はTwitterで!

音楽学研究室とは?

卒業式、修了式も滞りなく行われました。

卒業生、修了生の皆さん、おめでとうございます!

このような混沌とした分断の時代にあってますます芸術の存在意義は高まっていると感じます。

才能豊かな多くの学生に接してきた教員の一人として、大学を巣立ち、各々のスキルと才能を存分に社会で発揮されることを願っています。

 

さて、まもなく新学期が始まります。

今後も音楽学研究室の情報発信に努めたいと思います。

4月以降、以前予告しましたリーフレット音楽史の授業などで配信する予定です。

今日はその中から抜粋をご紹介いたします。

 

音楽学研究室とは

大学院音楽研究科 作曲専攻 音楽学研究室

 

 音楽学は本学の場合、大学院修士課程にのみ存在します。学部時代に音楽学に接する機会がないため、これまで進学者が少なかったのですが、近年、関心を持ち受験したいという学生や社会人が急増しています。

 その背景には「演奏家を目指すにしても、音楽産業に就職するにしても、音楽学の知識や視点・方法が必要なのでは?」という認識が少しずつ広まっていることがあります。その通りです。音楽学の基礎知識をもつスタッフがいない音楽出版社や音楽ホールはほとんど見当たりません。

海外では著名な演奏家や指揮者や音楽学を学んでいることは珍しいことではありません。

 また、音楽学は決して作曲家研究や楽譜研究に限定されるものではありませんしクラシック音楽に限定されるものでもありません。音楽や音に関わる全てが研究対象なのです。対象ではなく、研究の方法が音楽学なのです。

 方法的にもフィールドワークや資料研究など多様なアプローチが可能です。

 最初の一冊として参考文献もあげていますので、ぜひ、音楽学の扉を開いてみてください。

 音楽学研究室には様々なテーマで研究を進めている教員が数多く在籍しています。専門的な質問があればどしどしお寄せください。

 また、「オフィスアワー」を学務で申請していただければ個別の面談も可能です。

 H212が音楽学資料室です。事前にアポイントをとっていただければ、自由に書籍やCDを閲覧し、借りることができます。

 大学院受験のために英文読解力向上を目指す場合、水曜2限「音楽専門英文講読」がおすすめです。

 

◯授業一覧 ※以外は1、2名の授業、音楽学資料室で授業を行います

音楽学研究  修士論文のための個人指導

文献研究   必要な言語を選択し文献を読む

音楽学特殊研究 テーマに沿って音楽学の方法や視点を学ぶ。ディスカッションなど

音楽学合同研究演習 半期に一度の合同発表会

修士リサイタル 1年次最後に研究成果を発表する(プレゼンテイションの形態)

音楽研究実習 学びたい音楽実技の個人指導(他の授業と等しく半期15回90分)

※芸術文化の諸相 一年全体授業 講師は西洋音楽以外の多様な専門家群

 

大学院担当教員 

井口淳子(大学院主任)西村理 能登原由美 三島郁 芝池昌美 井幡万友美 中山幾美子

 

音楽学研究室 ブログ https://ongakugaku.hatenablog.com/

音楽学研究室 X(旧ツイッター) https://twitter.com/h212daion

音楽史のエッセンス(映像教材シリーズ) 世界音楽、古楽からロマン派まで、授業で活用中!

https://www.youtube.com/@user-ul3gv8ny1g

 

リーフレットはPDFファイルで音楽史授業などを通じて配信いたします。H212の前にも若干、冊子を設置致します。

 

音楽史の映像教材、公開が進んでいます!ただ今、13本

音楽学教員3名とミュージックコミュニケーション専攻の久保田テツ教員による3年間の科研費研究が終わりに近づき、昨日来、続々と<音楽史のエッセンス>映像教材を公開しています。

力作揃いですので、ぜひ、ご覧ください!!

https://www.youtube.com/@user-ul3gv8ny1g

大学授業や小中高の学校で、音楽の時間に能動的な体験を増やしたいと考えたことがこの共同研究のきっかけでした。

共同研究者として能登原由美、三島郁、久保田テツの三氏に加わっていただき、企画から出演者との交渉、本番撮影、映像編集と1本の映像にも多くの協力者の膨大なエネルギーが詰まっています。

それでいてできあがった映像はコンパクトでわかりやすく、サウンドロゴ(久保田テツさん)にもご注目ください!

昨日は能登原さん企画のチェンバロとピアノの映像5本を公開、今朝は私が企画、野村誠さんご出演の民族音楽の映像を公開いたしました。

 

この映像をもとに自由なアレンジで教室に音楽づくりの輪が広がりますように!!

 

3月19日公開

チェンバロ ウィリアム・バード<戦い> 演奏編&解説編 

京谷政樹(チェンバロ

聞き手 能登原由美

youtu.be

 

フランソワ・クープランの作品<葦>ほか 演奏編&解説編 

京谷政樹(チェンバロ

聞き手 能登原由美

 

ピアノ シューマン <子どもの情景> 演奏編 水谷友彦(ピアノ)

解説編は近日公開予定

 

3月20日公開

教室で民族音楽を体験しよう(1) 作曲家、野村誠による民族音楽講座

 

Part 1

00:09 「民族の多様性 混じり合いながらどうすればおもしろい音楽が生まれるか?」

01:40 「手拍子でリズム」

05:41 「タイの村祭り」

15:54 「楽器のかわりに声でタイの村祭りpart1」

17:21 「声から楽器へ、ふたたび声へ」

20:00 「石を鳴らす〜ガーナのリズム」

30:35 「ルイジアナの手遊び」

35:58 「アフリカ 子どもの手遊び」

 

Part 2

00:09 「お茶のケチャ」

22:27 「タイの村祭り part2」

26:27 「お茶のケチャ 楽器で」

28:18 「ピアノ即興を加えてみる」

30:56 「相撲の一番太鼓からブラジルのリズムへ」

36:19 「相撲とブラジル音楽が混じり合う」

 

youtu.be

 

パイプオルガンとチェンバロを同時に学べます!祝・大学院音楽学合格!

大阪音楽大学の大学院は前期と後期の2回の入試があります。

9月の入試で一名、そして後期入試でさらに1名が合格されました!

お二人とも研究計画もしっかりと立てられており、これまでの勉強を土台にさらに飛躍が期待できます。

そして偶然にもお二人ともチェンバロとパイプオルガンの組み合わせを「音楽研究実習」に選ばれました。

この授業は実技系のレッスンを院生が選んだ先生に師事し受講できるという贅沢な科目です(前回は中野振一郎先生のチェンバロと本山秀穀先生の合唱指揮でした)。

ただでさえ、贅沢なのに、二つの楽器を隔週で受講できるのです!!

この授業の存在を知らない学部学生も多いと思いますが、こんな授業、日本全国どこにもありません。

そして、授業科目は一対一の修論指導、文献講読など少人数が基本です。

H212の音楽学資料室は院生室でもあります。

新学期には音楽学への進学希望者を集めた茶話会も予定されていますのでぜひ、関心のある方はお越しください。

質問などいつでも受け付けています。音楽学資料室 ongakugaku@daion.ac.jp

 

修論を怖がらないでください、読むことと書くことは生涯にわたる楽しみになります!

 

 

4月にリーフレットをお配りします「音楽学って何?」

先日の学生との茶話会の後で、こんなリーフレットがあればいいね、と能登原由実先生と話しをして、すぐに取りかかりました。

このリーフレットお役立ち入門書や調べものツールやデータベースの紹介etc。最低限これだけはという情報に絞りました。

音楽学で取り組んでいる30分の映像教材「音楽史のエッセンス」のQRコードなどもついています。

そして教員の仕事の一部もご紹介。

 

絶対に役に立ちます!こういうリーフレット、もっと早く作ればよかったと思っています。

世界的に活躍する指揮者や演奏家がなぜMusicologyを学んでいるのか、それは演奏や作品解釈に必要だからです、キリッ!

 

動物イラスト、カホンバンジョー、トランペット



チェンバロ演習授業内発表会

チェンバロ演習の井幡講師より発表会リポートが届きました。 

 

チェンバロ演習のクラスでは、前期後期それぞれ最終授業で発表会を開催しています。 発表会と言っても、いつも授業を行なっている教室が会場ですが…。

ほとんどの学生さんが、初めてチェンバロに触れるというところから始まるわけですが、毎授業楽器に触れることで、皆さんどんどん楽器から良い音を引き出せる様に。

皆さん緊張しつつも楽しげな演奏姿を見せて頂けるのは毎回 嬉しいものです(写真1)

そして今回は 木曜3限開講のヴィオラ・ダ・ガンバクラスの方々とも合流して、多彩なプログラムとなりました。

 ビシッとお衣装も統一のガンバクラス(一番左は上田先生) (写真2)

                     (井幡万友美 記)

写真1

チェンバロ・ソロ

写真2

ヴィオラ・ダ・ガンバ クラス(左端は上田牧子講師)



大学院(音楽学専攻)進学を考える茶話会 Vol. 1

 2月20日(火)の午後、大学院(音楽学専攻)進学に関心をもつ人のための説明会を実施しました。「音楽学ってどんなことをするの?」「大学院ではどんなことが学べるの?」「説明会みたいなのがあれば…」と言う要望に応え、急遽開催することになったものです。何せ初めての試みですし、学部の授業では「音楽学」自体について話す授業があるわけではないので、まずは音楽学という分野に関わることを、お茶を飲みながら気楽に話そう、という形で行うことにしました。

 

 参加者は3人(クリエイション、コミュニケーション、声楽の各専攻)でしたが(初めての開催にしては多いくらい)、非常に熱心で、現在自身が置かれた状況なども話しながら、「もっと色々と勉強したい!」という思いをぶつけてくれたのは本当に嬉しい限りでした。当初は「実技に集中したいのに座学が多すぎる」という声が大きいと聞いていたのですが(だから音楽学分野の授業が減ったのだとも)、実は意外にも、「実技系のカリキュラムについてはとても充実しているし満足だけれど、せっかく『大学』に来たのだからもっと幅広く勉強したい、実技以外の勉強ももっとやりたい」と思っている学生がこの大学の中でも少なからずいるそうです。

 

 一方で、「音楽学」と聞くと、どうやら西洋のクラシック音楽やその楽曲分析だけを想像してしまうようですが、世界のさまざまな地域のさまざまなジャンル、また作品や作曲家の研究だけをやっているわけではないと言ったことも話しました。そのあたりはこちらの発信の仕方が悪いのかもしれません。私の場合、学部では「西洋音楽史」の授業しかもっていないためにそのあたりを授業内で周知させるのは非常に難しいのですが、「音楽学」という分野の厚み、豊かさを伝える努力をもう少し重ねてみたいと思います。

 

 その他、現在の音楽界について、あるいは自身と音楽との関わりなど、各自が日々感じていることなどが話題に上がり、その度に茶菓子とともに場が大いに盛り上がりました。おそらく実技の練習や課題をこなすのにとても忙しい毎日のはずですが、そんな中でもこれほど冷静に深く考えている学生がいるということに何よりも驚かされました。こちらとしては、もっとこのような声を受けとめていけるような場作りをしなければと思うと同時に、そもそもこうした「うちに秘めた熱い思い」を引き出すことも重要だと実感しました。

 

 今回の内容をもとに、来年度の授業などでは、もう少し「音楽学」の魅力を伝えられるような工夫をしていきたいと思います。

 

文責:能登原由美

 

*なお、教員側からは音楽学専攻主任の井口淳子先生と能登原が参加しました。

 

 

 

音楽学研究室とは

大学院音楽研究科 作曲専攻 音楽学研究室

 

 音楽学は本学の場合、大学院修士課程にのみ存在します。学部時代に音楽学に接する機会がないため、これまで進学者が少なかったのですが、近年、関心を持ち受験したいという学生や社会人が急増しています。

 その背景には「演奏家を目指すにしても、音楽産業に就職するにしても、音楽学の知識や視点・方法が必要なのでは?」という認識が少しずつ広まっていることがあります。その通りです。音楽学の基礎知識をもつスタッフがいない音楽出版社や音楽ホールはほとんど見当たりません。

海外では著名な演奏家や指揮者や音楽学を学んでいることは珍しいことではありません。

 また、音楽学は決して作曲家研究や楽譜研究に限定されるものではありませんしクラシック音楽に限定されるものでもありません。音楽や音に関わる全てが研究対象なのです。対象ではなく、研究の方法が音楽学なのです。

 方法的にもフィールドワークや資料研究など多様なアプローチが可能です。

 最初の一冊として参考文献もあげていますので、ぜひ、音楽学の扉を開いてみてください。

 音楽学研究室には様々なテーマで研究を進めている教員が数多く在籍しています。専門的な質問があればどしどしお寄せください。

 また、「オフィスアワー」を学務で申請していただければ個別の面談も可能です。

 H212が音楽学資料室です。事前にアポイントをとっていただければ、自由に書籍やCDを閲覧し、借りることができます。

 メールアドレス ongakugaku@daion.ac.jp

 

◯授業一覧 ※以外は1、2名の授業、音楽学資料室で授業を行います

 

音楽学研究  修士論文のための個人指導

文献研究   必要な言語を選択し文献を読む

音楽学特殊研究 テーマに沿って音楽学の方法や視点を学ぶ。ディスカッションなど

音楽学合同研究演習 半期に一度の合同発表会

修士リサイタル 1年次最後に研究成果を発表する(プレゼンテイションの形態は自由)

音楽研究実習 学びたい音楽実技の個人指導(他の授業と等しく半期15回90分)

※芸術文化の諸相 一年全体授業 講師は西洋音楽以外の多様な専門家群

 

 

 

最初の一冊、おすすめの本の紹介

西洋音楽

沼野雄司 

2023 音楽学への招待  春秋社。

松本直美

2023  ミュージック・ヒストリオグラフィー ~どうしてこうなった?音楽の歴史 ヤマハ

岸本宏子他 

2020  つながりと流れがよくわかる 西洋音楽の歴史  アルテスパブリッシング。

 

民族音楽

徳丸吉彦他編 

2016  民族音楽学12の視点 音楽之友社

徳丸吉彦他編 

2007 事典 世界音楽の本 岩波書店

 

◯過去の修士論文

【2021年度】

・コロナ禍の活動で顕在化した日本の合唱の構造 — テレコーラス・プロジェクトを事例として

・F. クープランクラヴサン作品における発想標語 — その用例の実態についての分析的研究

 

・・・(中略)・・・

 

【2013年度(平成25年)第44回】

・ドイツ・バロック室内楽史におけるJ.パッヘルベル室内楽作品の存在意義―≪音楽の楽しみ≫と≪カノンとジーグ≫を中心に

・H. I. F. von ビーバーの「ロザリオのソナタ集」における多面性―その様式論と宗教的秘義をめぐって

・サーストン・ダートの楽譜校訂と演奏解釈―イギリス的な営為としての歴史的演奏運動

 

【2012年度(平成24年)第43回】

伊福部昭《交響的音画 釧路湿原》―映像と音楽の諸相

・日本のフラメンコ受容―明治期から昭和初期における先駆者たちの活動

 

【2011年度(平成23年)第42回】

・両大戦間期の『The Musical Times』におけるエルガーをめぐる言説

 

雨のオペラハウス(修士リサイタル第3夜)