礒山雅先生(本学客員教授)による特別講義が開催されます。
学内のみなさまは参加自由です!(事前連絡も不要です)
<礒山雅 客員教授 特別講義>
◆日時:2014年 7月8日(火)15時15分〜18時00分
◆場所:教室:F号館215教室
【講義概要】
モーツァルト流「愛の描き方」
《コジ・ファン・トゥッテ》は、誤解にさらされてきた作品である。この作品の内容に憤慨する人は、ベートーヴェン以来、枚挙にいとまがない。「女はみんなこうしたもの」という訳題を使わず、イタリア語で曲が知られているのも、批判に配慮したものだろう。
だが私は、この作品はモーツァルトの「愛の賛歌」であると思っている。こういうユーモラスな、あるいはシニカルな器の中に真実の愛を盛り込むのが、モーツァルトのモーツァルトらしいところなのだ。そう思えば、これほど演奏しがいのある作品はない。
作品の真価を理解するためには、台本と音楽を、ドラマの進行に即して、丁寧に見てゆく必要がある。鍵を握るのはフィオルディリージで、刻々と変わってゆく彼女の姿に、愛と向き合う女性の真実の姿を見ることができる。
講義では、ドラマの構成、人物の造形、各曲の役割、楽器の使い方、表現のポイントなどから作品を分析し、オペラに対する眼を養う。
(す)