新刊書のご案内です。すでにアマゾンで予約が始まっています。
授業を受講している学生にとっては、あっあの章は授業中のあの話だな、と予想がつくかもしれませんね。イラストが40枚添えられています。
そして装幀がとてもユニークで紙やデザインに凝りに凝っています。
ぜひ、図書館などで手にとってみてくださいね!
送別の餃子(ジャオズ)
:中国・都市と農村肖像画
著者:井口淳子
イラスト:佐々木優
ISBN:978-4-909992-01-7
本体価格:1800円(税込1980円)
刊行予定:2021年10月30日
頁数:222頁
●内容紹介
中国の北方では、人々は別れの時に、手作りの水餃子を囲んでその別れを惜しむという。
自身の研究分野を「民族音楽学」に決めた著者が選んだ調査地は中国の農村。1988年、文化大革命後に「改革開放」へと舵をきった中国で、右も左もわからぬまま「研究」への情熱と未知なる大地へのあこがれだけで、彼女のフィールド調査がはじまった。
中国の都市や農村での調査をきっかけにさまざまな出会いがあった。「怖いものはない」という皮肉屋の作家、強烈な個性で周囲の人々を魅了し野望を果たす劇団座長、黄土高原につかの間の悦楽をもたらす盲目の芸人たち……「親切な人」とか「ずる賢い人」といった一言では表現できない、あまりにも人間臭い人々がここにはいる。それぞれの物語で描かれている風土と生命力あふれる登場人物に心うごかされ、人の心のありようについて考えてみたくなる。
1988年以降の中国という大きな舞台を駆け巡った数十年間には無数の出会いと別れがあった。その中から生まれた14の物語をつづったエッセイを、40以上のイラストとともにお届けします。
●著者紹介
井口淳子 IGUCHI Junko
専門は音楽学、民族音楽学。大阪音楽大学音楽学部教授。大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得、文学博士。主な研究テーマは中国の音楽・芸能、近代アジアの洋楽受容。
主な著書に『亡命者たちの上海楽壇 ― 租界の音楽とバレエ』2019年、音楽之友社。『中国北方農村の口承文化―語り物の書・テキスト・パフォーマンス』1999年、風響社など。
目次
はじめに
序 まだはじまっていないころのお話
Ⅰ 河北省編
第一章 老師的恋
第二章 北京の女人
第三章 ゆりかごの村
第四章 占いか、はたまた芸人か
Ⅱ 黄土高原編
第五章 雨乞いの夏
第六章 村の女たち、男たち
第七章 黄河治水局のおじさん
第八章 尿盆(ニァオペン)
第九章 人生も戯のごとく
Ⅲ 番外編
第一〇章 頑固じいさんと影絵芝居
第一一章 かくも長き一八年
第一二章 パリの台湾人
第一三章 想家(シァンジァー)
第一四章 人を信じよ!
あとがき
参考文献