大学院音楽学研究室ブログ-Osaka College of Music

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礒山雅客員教授 特別講義のお知らせ

礒山雅先生(本学客員教授)による特別講義が開催されます。
学内のみなさまは参加自由です!(事前連絡も不要です)


<礒山雅 客員教授 特別講義>


◆日時:2013年 12月13日(金)15時15分〜18時00分
◆場所:教室:A号館305教室

【講義概要】
バッハのカンタータ第179番《心せよ、神を畏れることが偽善とならぬように》をめぐって――音楽研究のさまざまな視点と方法――

バッハのカンタータ第179番《心せよ、神を畏れることが偽善とならぬように》は、ライプツィヒ初年度に書かれた三位一体後第11日曜日用の作品であるが、それ自身名曲であるばかりでなく、研究に幅広い視点を提供してくれるという点でも、興味が尽きない対象である。それは宗教の根本的な問題点とかかわるメッセージを蔵するがゆえに、聖書研究との接点をもつ。それは合唱、レチタティーヴォ、アリア、コラールと曲ごとに異なる様式をもつため、音楽分析をとくに語と音の関係を踏まえて行うには、有益な素材である。中でもソプラノ・アリアは、バッハの音楽書法の精髄に対する洞察を可能にするものだと思われる。またそれは、《小ミサ曲ト長調》BWV236に転用されているという点で、バッハのパロディのすぐれた実例になっている。以上の着眼点から考察を行い、作品研究に多様なアプローチがありうることを示したい。