大学院音楽学研究室ブログ-Osaka College of Music

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西洋音楽史がレクチャー・コンサートに(能登原由美特任准教授&水谷友彦講師)


西洋音楽史概説B」の授業の一環として、ピアニストで大阪音楽大学講師の水谷友彦先生をお招きし、「標題音楽」をテーマにレクチャー・コンサートを行いました(12月15日)。

 

普段の授業の中にプロ奏者の実演を取り入れたら良いのではと水谷先生にお話ししたところ、「空いている時間に30分ぐらいなら弾いてあげますよ」と快いお返事をいただいたのに甘えて企画したものですが、結局1時間に及ぶ「レクチャー・コンサート」の形になりました。

 

その内容ですが、「西洋音楽史概説B『番外編〜音楽の表すものは・・・?』〜実演を通して考えてみよう〜」と題して、シューマンの《子供の情景》から6曲、そしてブラームスの〈間奏曲op. 118-2〉を演奏してもらいました。授業内で扱った「標題音楽」がテーマだったので、シューマンについては解説を交えつつ、また受講生にも質問を投げかけイメージを膨らませながら実際に生演奏を聴いて確認する、という流れを取りました。ブラームスについては、時間が無くなってしまったので、シューマンブラームスの関係を簡単に説明した上で、「標題のない音楽」という点にだけ触れて、全曲を通して演奏してもらいました。最後に、レクチャー・コンサート全体の感想などを書いてもらいました。

 

打ち合わせの時に私と水谷先生の間で作品のイメージが異なる点があることに気づいたので、そのあたりを紹介しながら簡単な楽曲分析もしつつ、また奏者の立場で作品の解釈なども話してもらいながら演奏、再びイメージを膨らませる、といった形で進めたこともあり、「一連の過程が面白かった」、「標題がついていてもそのイメージする情景は人によって異なるということを実感した」、「音楽にはいろいろな解釈があるからこそ魅力があると思った」といったコメントが多くありました。それとともに、「水谷先生の演奏は繊細で特に弱音が美しく素晴らしかった」「作品を深く読み込んだ上での演奏だけに情景が頭に浮かんできた」、「ピアノのコンサートに行きたくなった」、「ピアノを弾きたくなった」などのコメントをもらいました。また、「レクチャー・コンサート」自体を知らなかった、あるいは今回が初体験という人もいたようで「また行ってみたい」というコメントもありました。

 

いずれにしても、「録音や映像を見るよりもよく理解できた」というコメントも多く、生演奏を取り入れることの意義は十分にあったと思います。もちろん、やはり通常の教室なので音響については理想的とは言えず、奏者にも負担をかけてしまうことになるので、今後は場所の問題も考慮しながら改めて企画したいと思っています。

能登原由美 記)

 

©︎水谷友彦先生

 

前方の教員が遠いですが!