大学院音楽学研究室ブログ-Osaka College of Music

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野村誠さん特別講義


10月30日に作曲家の野村誠さんをお招きし、本学、音楽博物館にて特別講義をおこなっていただきました。
まずは、自己紹介とばかりに持参の鍵盤ハーモニカの超絶技巧を惜しげもなく、披露してくださいました。鍵ハモってこんなにすごい可能性を秘めていたんだ、と一同呆然としつつ大拍手。

前半はこれまでのお仕事を映像を用いながら解説をおこなっていただきました。休園日の動物園での鍵盤ハーモニカと動物とのセッション?、動物の反応がそれぞれ個性的で、静かに耳を傾けるライオン、楽器を触ろうとして音を出してしまうアリクイなど音楽は人間の専有物ではないと思いしらされました。ほかにも、北斎漫画を再現した江戸の楽器バンドなど、楽器製作のプロセスから演奏までが紹介されました。






後半は一転ワークショップに。学生たちが自分が選んだ博物館の楽器で自由に作曲、それを次々と順番につないでいく(重ねていく)「将棋の作曲」に挑戦。
意外にも学生は自分の専門楽器は避けていたようで、未体験の楽器を選んでいました。
時折、不思議な音のハーモニーが生まれます。カリヨン練習楽器とタイのラナート・エクが、和太鼓とガムランが、というように、世界のどこにも存在しない音が、おそらくはじめて、生まれた瞬間を体験させていただきました。
「楽器について深く知り、勉強した上で、いったんそれを白紙にして、先入観を捨てて楽器に向き合う」という野村さんのことば、今回の講義(ワークショップ)で学生に伝わったのではないでしょうか。





終了後の学生の感想。「皆で作っていく音楽のなかに加わって、楽器を奏でているとき、解き放たれた"無"のなかにいるような不思議な感覚でした。ダリの「時計」がイメージとして浮かんできて、悠久のときを感じました」



あっという間の3時間でした。