大学院音楽学研究室ブログ-Osaka College of Music

大阪音楽大学大学院音楽学研究室に関連するお知らせをお伝えしていきます。研究室mail address:ongakugaku@daion.ac.jp 最新情報はTwitterで!

♪音楽畑夏号

音楽畑夏号を発行しました。


<音楽畑Contents>

●巻頭言  西村理 / オーケストラとサッカー日本代表

●卒業・修士論文中間発表
   [4回生]  岩崎和音/大場美緒/黒田知子
          福岡佳奈/山中直/山村磨喜子
   [院1回生] 奥坊由起子

●お知らせ

●編集後記

=================
巻頭言をご紹介します。


【音楽畑 2010年度 夏号 巻頭言】

        オーケストラとサッカー日本代表

                         西村理

私が大阪に住むようになってから、1年が過ぎて2年目に入りました。生まれてから大学院を修了するまで関東を生活圏としてきて、日本での1人暮らしも初めての経験。その大阪で、1年と少しの間に引越しを3回もしたというのは、自分でも驚いていますが、考えてみると、大阪に住む直前まで滞在していたウィーンでは半年だけ住んで引越し、その1年後には日本に戻ってきていますから、ここ数年は引越しばかりしているということになります。
 「引越し魔」というあだ名がつかないように、今度はしばらく今の住いに留まっていたいですが、それはさておき、大阪での1年目は生活と大学での仕事に慣れるのに、緊張感をもちつつも、あっという間に過ぎてしまいました。2年目に入り、すでに夏休み目前。1年目と違って、気持ちにも少し余裕が出てきたように思います。昨年は夏休み前までは、演奏会にも行く気持ちの余裕すらありませんでしたが、今年は何回か行くことができました。
 そうしたなか、たまたま近い日にあった2つのオーケストラの演奏会で、興味深い経験をしました。一方の演奏会では、個々の演奏者のレベルはおそらくそれほど高くないのですが、全体としては素晴らしい演奏となりました。もう一方の演奏会では、個々の演奏者は錚々たるメンバーで、名前だけ見れば、素晴らしい演奏が約束されていたと思えたのですが、実際には散々たる演奏でした。
ちょうど南アフリカでのサッカーのワールドカップが開催されている時期にあったこれら2つの演奏会を聴いて、オーケストラは、今回の日本代表と似ていると思いました。今回の日本代表のメンバーは、個々のレベルという点では、前回のワールドカップでのメンバーと比べて、低かったのかもしれませんが、全体的にはチームワークによって決勝トーナメント進出を見事に決めました。チームワークによって、1+1が2になるのではなく、3にも4にもなることが、オーケストラでもあるのです。そうした演奏会に出会えると幸せな気分になり、音楽を聴いて良かったと感じます。


================

(く)