大学院音楽学研究室ブログ-Osaka College of Music

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大学院(音楽学専攻)進学を考える茶話会 Vol. 1

 2月20日(火)の午後、大学院(音楽学専攻)進学に関心をもつ人のための説明会を実施しました。「音楽学ってどんなことをするの?」「大学院ではどんなことが学べるの?」「説明会みたいなのがあれば…」と言う要望に応え、急遽開催することになったものです。何せ初めての試みですし、学部の授業では「音楽学」自体について話す授業があるわけではないので、まずは音楽学という分野に関わることを、お茶を飲みながら気楽に話そう、という形で行うことにしました。

 

 参加者は3人(クリエイション、コミュニケーション、声楽の各専攻)でしたが(初めての開催にしては多いくらい)、非常に熱心で、現在自身が置かれた状況なども話しながら、「もっと色々と勉強したい!」という思いをぶつけてくれたのは本当に嬉しい限りでした。当初は「実技に集中したいのに座学が多すぎる」という声が大きいと聞いていたのですが(だから音楽学分野の授業が減ったのだとも)、実は意外にも、「実技系のカリキュラムについてはとても充実しているし満足だけれど、せっかく『大学』に来たのだからもっと幅広く勉強したい、実技以外の勉強ももっとやりたい」と思っている学生がこの大学の中でも少なからずいるそうです。

 

 一方で、「音楽学」と聞くと、どうやら西洋のクラシック音楽やその楽曲分析だけを想像してしまうようですが、世界のさまざまな地域のさまざまなジャンル、また作品や作曲家の研究だけをやっているわけではないと言ったことも話しました。そのあたりはこちらの発信の仕方が悪いのかもしれません。私の場合、学部では「西洋音楽史」の授業しかもっていないためにそのあたりを授業内で周知させるのは非常に難しいのですが、「音楽学」という分野の厚み、豊かさを伝える努力をもう少し重ねてみたいと思います。

 

 その他、現在の音楽界について、あるいは自身と音楽との関わりなど、各自が日々感じていることなどが話題に上がり、その度に茶菓子とともに場が大いに盛り上がりました。おそらく実技の練習や課題をこなすのにとても忙しい毎日のはずですが、そんな中でもこれほど冷静に深く考えている学生がいるということに何よりも驚かされました。こちらとしては、もっとこのような声を受けとめていけるような場作りをしなければと思うと同時に、そもそもこうした「うちに秘めた熱い思い」を引き出すことも重要だと実感しました。

 

 今回の内容をもとに、来年度の授業などでは、もう少し「音楽学」の魅力を伝えられるような工夫をしていきたいと思います。

 

文責:能登原由美

 

*なお、教員側からは音楽学専攻主任の井口淳子先生と能登原が参加しました。