大学院音楽研究科 作曲専攻 音楽学研究室
音楽学は本学の場合、大学院修士課程にのみ存在します。学部時代に音楽学に接する機会がないため、これまで進学者が少なかったのですが、近年、関心を持ち受験したいという学生や社会人が急増しています。
その背景には「演奏家を目指すにしても、音楽産業に就職するにしても、音楽学の知識や視点・方法が必要なのでは?」という認識が少しずつ広まっていることがあります。その通りです。音楽学の基礎知識をもつスタッフがいない音楽出版社や音楽ホールはほとんど見当たりません。
海外では著名な演奏家や指揮者や音楽学を学んでいることは珍しいことではありません。
また、音楽学は決して作曲家研究や楽譜研究に限定されるものではありませんしクラシック音楽に限定されるものでもありません。音楽や音に関わる全てが研究対象なのです。対象ではなく、研究の方法が音楽学なのです。
方法的にもフィールドワークや資料研究など多様なアプローチが可能です。
最初の一冊として参考文献もあげていますので、ぜひ、音楽学の扉を開いてみてください。
音楽学研究室には様々なテーマで研究を進めている教員が数多く在籍しています。専門的な質問があればどしどしお寄せください。
また、「オフィスアワー」を学務で申請していただければ個別の面談も可能です。
H212が音楽学資料室です。事前にアポイントをとっていただければ、自由に書籍やCDを閲覧し、借りることができます。
メールアドレス ongakugaku@daion.ac.jp
◯授業一覧 ※以外は1、2名の授業、音楽学資料室で授業を行います
文献研究 必要な言語を選択し文献を読む
音楽学特殊研究 テーマに沿って音楽学の方法や視点を学ぶ。ディスカッションなど
音楽学合同研究演習 半期に一度の合同発表会
修士リサイタル 1年次最後に研究成果を発表する(プレゼンテイションの形態は自由)
音楽研究実習 学びたい音楽実技の個人指導(他の授業と等しく半期15回90分)
※芸術文化の諸相 一年全体授業 講師は西洋音楽以外の多様な専門家群
最初の一冊、おすすめの本の紹介
西洋音楽系
沼野雄司
2023 音楽学への招待 春秋社。
松本直美
2023 ミュージック・ヒストリオグラフィー ~どうしてこうなった?音楽の歴史 ヤマハ。
岸本宏子他
2020 つながりと流れがよくわかる 西洋音楽の歴史 アルテスパブリッシング。
民族音楽系
徳丸吉彦他編
2016 民族音楽学12の視点 音楽之友社。
徳丸吉彦他編
2007 事典 世界音楽の本 岩波書店。
◯過去の修士論文
【2021年度】
・コロナ禍の活動で顕在化した日本の合唱の構造 — テレコーラス・プロジェクトを事例として
・F. クープランのクラヴサン作品における発想標語 — その用例の実態についての分析的研究
・・・(中略)・・・
【2013年度(平成25年)第44回】
・ドイツ・バロック室内楽史におけるJ.パッヘルベルの室内楽作品の存在意義―≪音楽の楽しみ≫と≪カノンとジーグ≫を中心に
・H. I. F. von ビーバーの「ロザリオのソナタ集」における多面性―その様式論と宗教的秘義をめぐって
・サーストン・ダートの楽譜校訂と演奏解釈―イギリス的な営為としての歴史的演奏運動
【2012年度(平成24年)第43回】
・日本のフラメンコ受容―明治期から昭和初期における先駆者たちの活動
【2011年度(平成23年)第42回】
・両大戦間期の『The Musical Times』におけるエルガーをめぐる言説