大学院音楽学研究室ブログ-Osaka College of Music

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新刊のご紹介

加藤由紀先生(西洋音楽史)共著の新刊が出版されました。

加藤先生よりメッセージを頂きましたので、ご紹介いたします。
是非ご一読くださいね。


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 共著者の坂本千代さんは、私が知り合った頃からずっと、というより大学時代からジョルジュ・サンドを研究しつづけている仏文学者です。音楽関係者にはショパンの愛人として知られているサンドですが、彼女は多くの芸術家と親交を結び、彼らとの交際をとおして、音楽の力、芸術の意味、芸術家の役割などを考えていきました。パリの19世紀は、ヨーロッパの芸術家たちが、音楽家、文学者、画家などジャンルを問わず集まったヨーロッパの首都的性格をもった特権的な時期でした。国際的なキャリアを築きたいと望む作曲家はほとんどがパリを訪れ、交流し、刺激しあったのです。
 本書は、同志フランツ・リスト、苦悩する天才エクトル・ベルリオーズ、栄光に包まれた天才ジャコモ・マイヤベーア、そして恋人フレデリック・ショパンという4人の音楽家たちをサンドというひとりの女性作家の書いたものを通して浮かび上がらせ、彼女がその作品中で表明した「音楽こそが最高の芸術である」という思想について考えるものです。さらに、「音楽の力」をサンドに実感させた彼らの作品やパフォーマンスについての理解を深めていただくために、サンドが実際に耳にしていた彼らの作品世界への手引きとして、それぞれの音楽についての解説を各章の終わりに、そして巻末にはサンドの作品解説をつけています。文学研究者と音楽研究者のコラボレーションを楽しんでいただければうれしいのですが。

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(お)