大学院音楽学研究室ブログ-Osaka College of Music

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日本音楽学会例会のお知らせ

日本音楽学会西日本支部例会のお知らせです。


同日、同時間より国際シンポジウムも開かれていますが、シンポジウムの方は事前参加申し込みが必要です。
(国際シンポジウムの詳細は前回の記事をご覧ください)



日本音楽学会西日本支部 第16回(通算367回)例会

◆日時:2013年9月7日(土)14:00-17:00
◆会場:大阪音楽大学 第1キャンパス A号館 A-305教室
◆アクセス:阪急宝塚線庄内駅」下車、徒歩8分。詳細は下記ホームページをご参照ください。
◆地図:http://www.daion.ac.jp/about/a5a6tu0000000mph.html
◆例会担当:今田 健太郎四天王寺大学
◆内容:研究発表とパネル・ディスカッション


〈研究発表〉
筒井 はる香(同志社女子大学
 1830〜40年代ウィーンにおける鍵盤楽器の状況──フィスハルモニカを中心に

本発表は、1821年に発明されたフィスハルモニカというリード楽器が、どのような社会的背景で発明され、音楽文化にどのような影響をもたらしたのか、という問題を考察するものである。フィスハルモニカは、1830〜40年代ウィーンの家庭音楽に欠かせない存在であったと同時に、シューマンなど多くの作曲家に影響を与えた。この楽器の普及に貢献した音楽家C. Georg Licklの活動やレパートリーの紹介を通じて、19世紀前半ウィーンにおける音楽文化の一端を探りたい。


〈パネル・ディスカッション〉
溝口作品にみる映画と「音楽」の諸問題──深井史郎と早坂文雄を例に

トーキー映画の普及する一九三〇年代から五〇年代、映画監督である溝口健二は、その作品の音楽・音響について、同時代に映画音楽の作曲家として第一人者であった深井史郎や早坂文雄とともに、さまざまな試みをおこなった。作曲家の側といえば、それぞれに学んだ西洋音楽を踏まえつつ、映画の音楽制作の現場、たとえばマイクロフォンによる録音、オーケストレーション、光学式サウンドトラック、ミュジック・コンクレートなどの登場というトレンドに立ち会うことになる。他方、伝統的な音楽的演出である囃子を用いていることも無視できない。戦前/戦後ということ以上にめまぐるしかっただろうこの時期に、溝口映画は映画と音楽それぞれにとってどのような実験場となりえ、またどのような達成をみたのか。あるいは、武満徹らの次世代を迎える以前はどのような状況だったのか。より大きく言えば、日本という文脈のなかで、物語の音楽的演出はどのように成り立つのかについて議論したい。

長門 洋平(非会員、国際日本文化研究センター機関研究員)
溝口映画の音・音楽をテーマに、約1年前に総合研究大学院大学にて博士号を取得。溝口が作品をとおして達成した映画における音・音楽の理念を明らかにする。

柴田 康太郎(非会員、東京大学大学院生)
一九三〇年代の深井史郎の言説を中心に、西洋音楽や映画の音楽についての当時の作曲家たちの思考とその由来を明らかにする。

竹内 直(西日本支部
京都市立芸術大学にて早坂文雄についての論文で博士号を取得したばかり。早坂の作曲家としての足跡をふまえて、彼が映画の音楽にどのように関わったのかを示す。

司 会・コーディネーター:今田 健太郎(西日本支部四天王寺大学専任講師)



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