大学院音楽学研究室ブログ-Osaka College of Music

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声楽家・古楽器奏者の笠原雅仁さん(ゲスト講師)

三島郁先生より授業レポートが届きました。ゲスト講師をお迎えしての充実の内容です!
 
西洋古楽概論の授業にて声楽家古楽器奏者の笠原雅仁さんをゲスト講師にお招きしました。
中世から初期バロックまでの記譜や装飾について解説していただきながら、グレゴリオ聖歌から、ランディーニ、長崎で出された『サカラメンタ提要』掲載の楽譜のグレゴリオ聖歌、チプリアーノ・デ・ローレのディミニューション的装飾法その他、そして《アマリッリ》までを、リュート、キタローネで伴奏しながら、弾き歌いしてくださいました。
印刷技術と楽譜との関係、西洋文化が入ってきた1500年代の日本など、他の文化や歴史との関連もともにお話しくださり、受講生の関心をさまざまにかき立ててくださいました。また大きなキタローネを目の前にしてかなり驚き、パリゾッティでないアマリッリにも感銘を受けていました。
ランディーニのハーモニー感や終止感はわたし自身好きなものでもあり、デ・ローレも含め自分も演奏に少し参加できたのも楽しかったです。
記譜といえば、笠原さんとは一昨年度に「音と身体の記譜研究」ワークショップ「リュート・タブラチュアの記譜法を考える——鳴ると記すのあわい」でもご一緒しました。そのときの内容を『COMPOST Vol. 04』の研究ノートにまとめています。今日は扱わなかったのですが、このときにはリュートのタブラチュア譜の特徴から、音価をどう考えるかという演奏者の行為について、そして18世紀の五線譜の、ある音符の長さをどのように捉えるかについても考察しています。こちらの方もよろしければご覧ください。
p.102-115が該当ページです。
(三島郁)

キタローネで弾き歌い

リュートで弾き歌い

熱心に聞き入る学生たち