大学院音楽学研究室ブログ-Osaka College of Music

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合同例会終了しました

前記事でアナウンスさせていただいた合同例会、3つの発表と、2つの講演、そしてその前にはプレイベントと称した音楽博物館見学、と内容いっぱいの例会が無事終了しました。


プレイベントはベテランの先生方も参加、音大100周年年表の作成作業を実際に行っておられる博物館学芸員からも説明を受けることができました。博物館所蔵最古のプログラムなど貴重な資料と近年にいたるまでの膨大な(32万点)資料群の整理方法も知ることができたよい機会でした。

3名の研究発表は、用意していたレジメが不足するほどの参加者が集まり、修士論文それぞれテーマは多岐にわたりましたが、発表者への質疑応答も活発に行われました。

後半は小泉文夫音楽賞受賞記念講演でしたが、予想通りのハプニングが勃発!陳応時先生が準備されていた講演原稿の前半は、林謙三が行なった敦煌琵琶譜解釈の説明だったのですが、肝心の陳先生の功績に話が及ぶ前にすでに予定時間が超過してしまいました(劉麟玉先生の冷静沈着な通訳に深謝!)。

しかし、陳応時先生の先人の研究への敬意と謙虚な姿勢は会場のみなさんに深い印象を与えられたのではないでしょうか。ただ、予定時間を相当超えてしまったため、浜松楽器博物館、嶋館長の講演に影響が出てしまいました。しかしそこは館長さんの熟練の話術でしっかり時間内に博物館の足跡とユニークな活動を話していただくことができました。

その後、場所を移しての懇親会、乾杯のあとは、発表者が特別に天台声明の一節を披露、高尚な雰囲気(?)の飲み会となりました。陳先生は、最後までニコニコと周囲の談笑をながめておられました。随行された喩輝先生は、実は寧波芸術学院の院長さんだったのですが、米国で民族音楽学の博士号をとられたフランクな先生で、英語、中国語でおおいに座を盛り上げてくださいました。



この5月に刊行されたばかりの新著『琴律学』(陳応時、上海音楽学院出版社)をはじめ、3冊の代表的著書を大阪音大に寄贈していただきました。




(井口淳子)