大学院音楽学研究室ブログ-Osaka College of Music

大阪音楽大学大学院音楽学研究室に関連するお知らせをお伝えしていきます。研究室mail address:ongakugaku@daion.ac.jp 最新情報はTwitterで!

♪音楽畑冬号

音楽畑冬号を発行しました。

<冬号Contents>
●巻頭言 中村孝義/今こそ試されるとき
●卒業生のことば 上羽義信/菊一旭大/昼馬卓也/山口萌子
●先生より 高橋浩子/山口修
●2008年度卒業研究題目
●お知らせ・今後の予定
●編集後記

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巻頭言をご紹介いたします。

【音楽畑 2008年度 冬号 巻頭言】



今こそ試されるとき

                                中村 孝義
                             (大阪音楽大学学長)

思いもよらなかった厳しい時代がやってきた。経済その他、人間が生きていく上での環境が、現在のように訳の分からなくなるほどおかしくなることは100年に一度あるかないかのことだといわれている。しかし逆に言えば、これまでも100年に一度くらいは、このような厳しい現実が人間社会には起こっていたということなのであり、人間社会が抱える様々な幣はそのつどいやおうなしに淘汰されるとともに、人間はその知恵を最大限に働かせることによってそれを乗り越えてきたということだ。
これも、思い上がった人間の浅はかな知恵によって生み出されたあぶくのような虚しいものをいったん整理淘汰し、本物だけを残していこうという神の意志の現れなのかもしれない。その意味で今こそは、我々自らが本物かどうかを試される時なのだといっても良いだろう。では本物とは何か。具体的客観的に存在するものであればむしろ事は簡単だ。そうではなくて本物とは、本物足らんとする「志し」を持ち、本物に向かって一歩でも近づこうとする「気概」そのものなのではないだろうか。その「志し」や「気概」こそが、あらゆるものを本物たらしめる原動力となるのだ。今こそ、「志し」を新たにし、気概を持って事に当たりたいものである。このような時代だからこそ、この春に巣立つ諸君も、なお在学して勉学に励む諸君も、新たに自らの「志し」を再確認し、事にあたって「気概」を持って取り組んで欲しい。道は必ず開かれるのだから。
最後になったが、この春は、長きにわたって音楽学専攻にとって不可欠の存在であられた高橋浩子先生が定年で専攻でのお仕事を一旦閉じられることになった。これまでの大阪音楽大学音楽学専攻に対するご尽力を思うと万感胸に迫るものがあるが、先生のお仕事を継承、発展していくことが、先生のご恩に報いる、我々残されたものの務めであろう。先生のさらなるご発展、末長きご健康とご多幸を心よりお祈りしたいと思う。


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もう授業は終わってしまいましたが、春休みも資料室は開館していますので、
来られたときは「音楽畑」お持ちくださいね。

春休み、旅行に行かれる方もいると伺っています。
どうぞ、お気をつけて。
みなさん、有意義な春休みをお過ごしください。

(く)