大学院音楽学研究室ブログ-Osaka College of Music

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鍵盤楽器紹介シリーズ(1)クラヴィコード

こんにちは。チェンバロ講師の京谷政樹です。

大阪音楽大学には、たくさんの鍵盤楽器があります。

「せっかくたくさん有るんだからブログで紹介しよう!」思い立ち・・・
今日は、その第1回目の投稿です。宜しくお願いします!笑
 
今日ご紹介しますのは、こちら!クラヴィコードです。
 

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クラヴィコードは、ピアノと同じ打弦楽器。
タンジェント」という金属片が弦を打って音を出します。
そして、クラヴィコードの特徴は、なんといっても、音の小さいこと!
どのくらい小さいかというと・・・
雨が降ると「雨音のが大きいし、今日は演奏、諦めないとな・・・?」というレベルです。
 

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そんな音の小さなクラヴィコードですが、かつては、大変、人気のある楽器でした。
バッハは、クラヴィコードで、お弟子さんのレッスンをし、
ハイドンは、クラヴィコードで、毎朝、即興演奏を楽しみ、
モーツァルトは、クラヴィコードで、あの≪魔笛≫を作曲しました。
 

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考えてみれば、それって、少し不思議な気もします。
僕たちは、楽器は、音が大きければ大きいほど、よいと思っていますから。
もちろん、それも道理があって、大きな音が出なければ、
現代の大きなホールで、大衆の感動を呼ぶ演奏は出来ません。
 
でも、バロック時代にも、古典派の時代にも、
他の大きな音の出る楽器に背を向けて、
この小さな音の楽器にのめり込んだ人々が、たくさんいたのは、
自室で、たったひとり、自分だけに聴こえる音に耳をすましながら、
音楽との対話を楽しんだ文化があったからだろうなあ、と思います。
凄いロマンチック!!笑
 
大阪音楽大学関係者の皆さんは、
一度、クラヴィコードを通しての音楽との対話、試してみて下さい。


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