三島郁先生からの研究リポートです。三島先生は科研基盤C※の研究分担者として音楽史教育の教材映像作品を制作されています。
この映像は、来年度の西洋音楽史の授業などで公開されます。ご期待ください!
(※科研基盤C 「教員養成のための日本および諸民族の音楽史教育方法論の構築」研究代表者:井口淳子)
西洋古楽概論の三島です。
西洋音楽史でルネサンス期からバロック期にかけてその後の音楽にも大きな影響を与えた「チャッコーナ」の成り立ちを演奏とともに撮影しました。
チャッコーナとは、ルネサンス末期からバロック初期にかけて、スペインやイタリアを中心に民衆の間でたいそう流行り、次第に宮廷付き・教会付きの作曲家も作曲するようになったジャンルです。
元は南米でギターをかきならしながら歌い、官能的なダンスを踊っていた音楽をスペイン人たちがヨーロッパに持ち帰りました。
オスティナート・バスという数小節程度の定型のバスとそれに伴うハーモニーに載せて、旋律楽器やときにベースを担当する楽器も即興をしていくジャンルです。
今回は、ベースの楽器に、ヴィオラ・ダ・ガンバ、テオルボ、バロック・ギター、オルガン、旋律楽器にはコルネット(ドイツ語ではツィンク。現代コルネットではなく、写真のような角笛)を使用しました。
演奏者のみなさんは即興の達人で、楽譜に書かれていないすてきなアイデアを次々に披露してくださっています。
撮影風景