大学院音楽学研究室ブログ-Osaka College of Music

大阪音楽大学大学院音楽学研究室に関連するお知らせをお伝えしていきます。研究室mail address:ongakugaku@daion.ac.jp 最新情報はTwitterで!

授業の風景・前期も終盤です

前期の授業も残り少なくなってきました。
今週は試験後のふりかえり=ディスカッションの授業が多く、「ほう、へえ、ええっ!?すばらしい!!」と思うことが多々ありました。
そもそも、大教室の場合、ディスカッションと予告して、「この日は自由参加です(出欠も関係ない)」と宣言すると、ひょっとしてゼロ人だったりして、とこわごわ教室に行くのですが、少ないながらちゃんと来てくれていました。
テーマは始まりこそ授業のふりかえりですが、しだいに、身近な就活や専門実技、女性の生き方etc多岐にわたり、各人が今、真剣に考え、悩んでいることを率直に話してくれました。
私は意見をいうというよりも、これは一つの例に過ぎないのだけれど、と自分自身の体験をお話することにつとめました。

例えば、日本では周囲に同調しないと生きづらいという話題では、自らの子育て体験を告白。双子の生後5ヶ月で、日本に見切りをつけ、北京に逃亡、そこで二人の乳母さんを雇い(といっても当時は月給5千円)、研究生活と育児を両立させたが、帰国後が悲惨で、ママ友の輪に入れず、落ち込みの連続だった話など。

授業中は冷静だったつもりが、帰宅しても、学生の発言に頭が沸騰して不眠になるくらい、それぞれの真摯な声が心に突き刺さりました。
少人数の「民族音楽学」では、各人がとっておきの音楽を皆にきいてもらい解説する、というもの。こちらも作曲した自作や、聴く機会がほとんどない邦人作曲家のうつくしい作品、著名な作曲家の交響曲ですら楽譜がどこにもない!という問題提起、などなど聞き応え十分すぎる90分でした。この授業は学生から「居眠りや携帯を見るスキを与えてくれない(ずっと考えることを要求される)希有な授業だ」とお褒め?のことばをいただきました。
大人数ながら少数のファンを獲得した「諸民族の音楽」、最終回はガムランを演奏しようと、受講経験がある学生に助っ人を頼んだところ、すばらしい機転と指導者ぶりを発揮してくれました。「大学に入ってよかったこと、日本の伝統音楽と民族音楽に出会えたこと!」という学生のことばは、音大のなかで滅多にきくことができない、でもうれしい少数意見でした!「解散!」といってからも残ってガムランを演奏していた学生の写真をあげておきます。(井口淳子)

「諸民族の音楽」の一コマ(学生に教わるの巻、左端は学生です)

 

f:id:ongakugaku:20190718102614j:plain